労働時間

長時間労働対策で働き方は変わるか?

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労働時間法制改革が注目を集めていますが、法改正が長時間労働に結びつくことも予想されるため、特に労働者側にとっては不安が広がりつつあります。

国としても、平成26年11月1日から過労死等防止対策推進法を施行するなど長時間労働対策を進めています。また、昨年12月22日には厚生労働省から「今後の長時間労働対策について」と題した取り組みが発表されています。

厚生労働省大臣を本部長として「長時間労働削減推進本部」を設置し傘下に「過重労働等撲滅チーム」「働き方改革・休暇取得促進チーム」「省内長時間労働削減推進チーム」の3チームが発足しています

それぞれのチームの1月からの取り組みを見てみると今後の行政の動きが分かってきます。

「過重労働撲滅チーム」
1.長時間労働削減の徹底に向けた重点監督の実施
2.相談体制の強化
3.労使団体への要請
4.過労死等の防止に向けた取組み

具体的には、次の通りです。

  • 時間外労働時間数が1か月100時間を超えていると考えられる事業場や、長時間にわたる荷重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場を対象として、労働基準監督署による監督指導(立入調査)の徹底。
  • 監督の結果、法違反や問題が認めれた場合は是正勧告書等を交付し、指導。法違反を是正しない事業場は、書類送検も視野に入れて対応する。
  • インターネット上の求人情報等を監視し収集し、高収入を謳っていたり、求人を繰り返し行うなど過重労働が疑われる情報を基に労働基準監督署による監督指導等に活用する。
  • メンタルヘルスの一層の向上を目指し都道府県労働局においてストレス制度を周知、ストレスチェック及び面接指導等を行う医師、保健師等に対する研修。

「働き方改革・休暇取得促進チーム」
1.本省幹部による企業経営陣への働きかけ
2.地方自治体との協同による地域レベルでの年次有給休暇の取得促進
3.切れ目のない年次有給休暇取得促進

各都道府県労働局に働き方改革推進本部を設け企業の自主的な働き方の見直しを推進。具体的には

  • 地域の経済団体・労働団体等のトップ等に対し、働き方改革に対する協力要請する。
  • 労働局長などが地域のリーディングカンパニーを訪問、企業トップに対して、働き方改革に向けた取組を働きかける。
  • 企業における先進的な取組み事例の収集、周知する。取組み事例等についてはポータルサイトを活用して情報発信する。
  • 事業主団体主催の会合等あらゆる機会を通じた気運の醸成。

「省内長時間労働削減推進チーム」
1.長時間労働に係る負担軽減方策について
2.早期退庁・休暇取得促進策について
3.早期退庁後や休暇の有効な活用事例について

こちらのチームの取組みについては、まずは自身からということで省職員の働き方を改善対策です。2015年10月から22時以降の残業を原則禁止とする。毎日20時までには退庁する。やむを得ない場合でも22時までとして実施状況については人事評価に反映するとしています。

なお、企業における先進的な取組み事例を紹介するポータルサイトについては1月30日に開設されています。
「働き方・休み方改善ポータル」

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