有給休暇

有給休暇の消化率の低さからみる義務化の難しさ

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先日行われた内閣改造では、新しく働き方改革担当大臣が任命されました。
政府としても一億総活躍社会の実現のため、柔軟な働き方を取り入れるために知恵を絞っているところででしょう。

その働き方の中で有給休暇に関するものがあります。
前にこのブログでも取り上げましたが、年5日間の有給休暇の取得を企業に義務づけるという内容です。

有給休暇5日が消化義務になる働き方は変わるか?

これは要するに、日本は欧米諸国とくらべて有給休暇の取得率が低いので、その取得率を見直そうというものです。

確かに有給休暇の支給日数に対する消化率をみるとエクスペディアによる調査では60%と、下から2番目の低さです。

でも、これでも以前よりだいぶ有給休暇の取得率が高くなってます。2013年は39%なので、1.5倍の増加です。そろそろ限界のような気もする。

日本人の有給休暇の取得率が低い理由

そんな中、面白い記事を見つけました。

日本人の「有給休暇の消化率」が極めて低い理由

読んでみると、有給休暇を取得することに日本人は「罪悪感」を感じてしまうので、取得率が低いということが書かれてます。

日本は18%という、突出して高い数字になっている。本来は権利の行使であるはずの有給休暇を取る際に「すみません」と言ってしまう感覚だ。

 

 

確かに、自分も旅行などでまとまった有給休暇は取りづらい雰囲気があったような気がします。これが罪悪感でしょうか。休む際にはきちんと段取りつけるし、特に問題は起こらなかったけど...

有給休暇をとる際に後ろめたいと思う理由の1位は「人手不足だから」となっています。さらには休暇中も仕事が頭から離れない人の割合も高く13%となってます。

 

休暇を取っているのに仕事が頭から離れないあたりが、自分が休んだら仕事が回らないと思っている人なのでしょうね。「そんだったら休まない方がまし」みたいな感じでしょうか。

要するに日本人には、まじめな人が多いんでしょうね。周囲との和を大切に考えて、「周りの人が働いているのに自分だけ休んで得するようなことはできない」この一言ににつきると思います。

この記事の結論としては、トップダウンで進展するような容易はことではないから、無理のない範囲でやっていくしかないとまとめられています。けど、ちょっと違うんですよ。

日本は以外と祝日が多い

ちょっと前のデータなのですが、コンサルティング会社のマーサーが「年間祝祭日数ランキング」というのを調べています。

これによると日本は15日あり(今年から山の日が追加されたから16日)、世界で3位と祝祭日が多い方です。この祝祭日には土日は含まれていないので実際にはもっと休みが多く年間120日程度は休みがあります。

ちなみにヨーロッパでは、イギリス8日、ドイツ9日、アメリカは10日となっているけど民間企業については祝日を休みとするかどうかは企業に任せています。

国際比較をすると日本人の有給休暇の取得率が低い訳には、そもそも年間の祝祭日が多いことも理由としてあげられるでしょう。

そのため有給休暇の取得を義務づけることを根づかせるためには、法改正して罰則などをある程度厳しくしないと難しいと思いますがどうなるのでしょうか。

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