働き方

これからの国の雇用政策を勝手に妄想する

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明日から三連休が始まります。台風も来ておりあいにくの天気となるようですが、休み前なので軽めでいきます。

働き方改革による残業の見直し

新しく働き方担当大臣が任命され、長時間労働を是正するための動きが見られるようになっています。

そのひとつに36協定の運用の見直しがあります。

そもそも36協定は、1日または週においてそれぞれ8時間、40時間と定められている労働時間を超えて残業させる場合に、残業の限度時間を定めて労働基準監督署に届け出るというものです。

限度時間については、使用者である会社と労働者の代表が話し合いをして上限を決めなければなりません。さらに決められた限度時間はきちんと守らなければ違反となるので、会社側はなるべく長い時間で協定を結びたいと考えます。

そのため、36協定の上限が長時間になるのは使用者と労働者の話し合いで上限を決めるからとも言えます。さらに問題なのは、その限度時間が法律で決められていないために月80時間や100時間という労使協定が成り立ってしまうことにあります。

そこで政府としては、36協定の上限を定め、上限を超える残業を禁止するため罰則も含めた具体策を検討するというところです。

人事コンサル会社の提案

話は変わりますが、現状では原則として会社が労働者を解雇することは難しいとされています。

中小企業は周りの評判を気にせず解雇をしている場合もありますが、大企業などはマスコミなど周囲の目があるため大手を振ってできません。

そこで「追い出し部屋」などの嫌がらせに近いことや執拗な退職勧奨といったことが行われています。

このように後ろめたい方法を止めて、表立った人事制度として、仕事の成果が出ない社員が定年前に会社から去るようにできる「イグジットマネジメント」という考え方が人事コンサルティング会社から提案されています。

終身雇用の「崩壊」は、こうして売り込まれる(東洋経済オンライン)

記事によると「イグジットマネジメントの思想」として、現状の成果の乏しい人に転身してもらうアクションを起こすのではなく、社内外の流動性を高めることによって成果の高い人材に動機づけするアクションを取る組織を目指すというものです。

そのためには、報酬についても年功序列のような右肩上がりや退職金で後払いをするという要素を小さくして、個人と組織が互いに貸し借りを作らない関係を作っていきます。

要するにリストラの対象とされた人から出る不満として「若い時は安い給料に見合わない仕事量をこなすのも、将来までの安定的な雇用保障への期待があったから」というものが多いので、これを「若い時から仕事に見合った報酬を受けとる人事制度に変更することによって、会社にしがみつこうという考えが減るのでは?」という提案です。

雇用機会の流動化へ

働き方改革による長時間労働の防止策は現実のところ、産業界からの反発も強く実現は難しいとも言われています。企業側からすれば当然のことです。

一方で先ほど取り上げたように、企業側には解雇の規制が厳しく制限されているのでそれをなんとかしたいという思惑があります。ですが、解雇規制が厳しいので、仕方なくイグジットマネジメントでなんとか対応していこうという現状があります。

そこで長時間労働の防止策取り入れるために、代わりに解雇の制限を緩和して雇用の流動化を認めるようになっていくのではないかという考えに行き着くわけです。

さらには、短時間の労働者が複数の企業で働く複業や若年定年によるセカンドキャリアの促進など、新しい働き方に繋がっていけば面白いのではと思いますけどね。

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