ハラスメント

女子柔道暴力事件に見る指導者とのギャップ

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前の高校生の体罰事件から始まって、今回は柔道の日本代表監督に暴力があったことがニュースとなっているようです。

ここには指導と体罰の境目に曖昧さがあるため問題となっているように思います。この監督にしても選手との信頼関係があると思っているなかで叩いたりしていたと言っています。

さらには自分自身も現役時代には指導者に叩かれたことがあるが体罰だとは思ったことがないとも発言しています。

周囲の評価も熱心な指導者とのことのようですから、本当に指導の一環であり悪気があってやっていたようにも思えません。

現役を引退した選手が指導者に就任する際に、よく「自分が持っているものをすべて伝えたい」という言葉を聞きます。おそらく自分が受けた指導方法も含めて同じように選手に接していくつもりなのでしょう。

問題なのは、技術については自分自身が学んできたことを教えることが出来るかも知れませんが、指導方法については学ぶ機会がなかったことでしょう。

そのため自分が受けた方法が当たり前であり、そもそも問題があるとも考えることができなかったのではないか、ということです。

このことは企業においても同様です。

社長や管理職は自分の経験を通して今の地位についています。そのため自分のやり方に問題があるかどうか判断することもできずに若い社員に接することになります。

長時間労働やパワハラとも捉えられる発言などについても自分が受けてきた、あるいは経験して乗り越えてきたため同じことを社員に要求しているだけなのでしょう。

世間でブラック企業と言われている会社の中には意図的にブラックな訳ではなく、法律的に問題があるかどうか判断されることなく、社長や管理職のやり方で仕事をしている会社も多いのかも知れません。

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