ハラスメント

職場におけるいじめや嫌がらせが問題となっているようです

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会社は1日8時間と生活の中で3分の1を占める時間を過ごす場所であり、上司や同僚など多くの人との関わりながら仕事をしています。

長い時間一緒に働いていると、考え方や感情の行き違いも起こりやすく、それが行き過ぎると暴力や暴言などのいじめや嫌がらせにつながっていきます。

これらはパワーハラスメントと呼ばれ、マスコミ等でも取り上げられる機会が増えています。実際に都道府県労働局に寄せられる企業と労働者の紛争に関する相談についても、平成14年には約6,600件だったものが平成24年には51,670件と急増しており、解雇や労働条件の引上げ、退職勧奨などの相談を抜き、相談件数のトップとなっています。

その背景には、企業の人員削減によって社員一人ひとりの業務量の増加やコミュニケーション不足、残業が多く休みが取れないことによるストレスの増加などがあると言われています。

また、昔は許された指導方法が今ではパワーハラスメントに該当すると言われているケースもあるでしょう。これも情報化によって現象が見えやすくなったことが相談件数増加の背景にあると思います。

いずれにせよパワーハラスメントの問題は、周囲に対する悪影響を及ぼすだけでなく、うつ病などの精神疾患の増加などにもつながっています。精神疾患による休職に伴う戦力ダウンが、さらに周囲に負荷をかけるケースもあるでしょう。

さらにその責任は、パワハラの当事者間の問題だけでは済まず、パワハラを放置した会社に対しても職場環境配慮義務を欠いたものとして発生します。

労働契約法第5条(労働者の安全への配慮)
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

このように、パワハラが起こった場合の企業における損失は、職場環境の悪化によるモラールダウンだけでなく、ひと度裁判などになると損害賠償額の発生など、大きくなります。

また、パワハラだけでなくハラスメントに関する問題は、性的嫌がらせであるセクハラや出産する社員に対する嫌がらせであるマタハラと多岐に渡っており、マスコミ等でその情報を目にする機会が増えています。

日頃、忙しい経営者は知らないけれども、社員は勉強しているケースも多いのではないでしょうか。

これらは、いちど問題が起こると解決までに時間や金銭的負担が大きくなります。大切なのは問題が起こらないようにする事であり、仮に問題が起こっても素早く解決できる仕組み作りです。

このように書くと社員研修や就業規則などのルール作りが、という話になり易いですが、残念ながらこれだけでは問題は解決しません。

いちばん大切なのは経営者自身が自分の考え、思いを直接伝えることです。社長がパワハラは悪であり許さない、という決意が社員に伝わらなければ問題は解決しないでしょう。

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