労務管理

経営者は社員の顔色をみて仕事をする

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昨日、過労死防止対策法案が衆議院で可決されました。
この後、参議院での審議が順調に進めば、今国会で法案が成立する予定です。

入社間もない社員が過労死や過労自殺に追い込まれる状況は、その企業にとっても残された家族にとっても大きな損失となります。「あの時にひと声掛けることができていれば...」との思いを生涯背負うことになるでしょう。

過労死防止法案の裏で、「残業代ゼロ」の検討も進んでおり、当初の案から、中核・専門的な職種の「幹部候補」などを対象とする案も出ているようです。年収1千万円の壁を取り払い高収入者でなくても導入できるという話もあります。

通常、正社員で採用された場合、その多くが幹部候補であり役職もいくらでも作れますから、ますます対象が曖昧な感じになっている気もしますが。
今後どのように進むのでしょうか。

とことんやり抜く事も大切ですが

体を鍛えるのと同じように、仕事についてもある程度の負荷を掛けることによって成長につながる、特に若いうちは時間など関係なく、がむしゃらに取り組むことが大切という話をよく聞きます。

個人的にはこの考え方に賛成です。私も、理屈ばかり言って仕事をしない人よりも、終わるまでもう一息だから徹夜で仕事するぞーという方が好きです。自分でやるとなると、今では体が持ちませんが(笑)

この考え方は社員が自分でそう思って仕事をしている間は(残業代の支払いの話はありますが)、特に問題ありません。

上司が社員の顔を見なくなったときに問題となる

ブラック企業の問題は、上司や経営者が社員の顔を見ずに売上やプロジェクトのスケジュールなどの数字しか見ていないことです。

期限や締め切りがある仕事であれば、一時的であれ頑張ることができます。でも期限が見えないような仕事は、終わりが見えないため「あの日まで頑張れば、その後休める」というものがありません。

終わりの見えない仕事という精神的な負担に加え、残業による睡眠不足が続くことによって、肉体的にも負担がかかります。

こうなってくると精神疾患などの病気になる可能性も高くなります。

問題の本質は残業代ではなく長時間労働による損失

労基法では、残業時間に応じて割増賃金を支払うことが義務づけられています。

それでは残業時間に応じて残業代を支払っていれば問題ないのかというと、そうではありません。怖いのは、過労死などに追い込まれることです。

もちろん個人差などがありますからあくまでも目安なのですが、1か月に100時間を超える残業となるとうつなどの精神疾患や脳、心臓疾患など発症の可能性も高くなります。こうなると業務との関連性が強いと判断され労災扱いとなる場合があります。

労災扱いと判断されると慰謝料請求など民事で争われるケースも増えています。そのため、たかが残業と侮ると思わぬしっぺ返しを食うことになります。

経営者の仕事は社員の顔をみること

これは、別に社員や部下の顔色を伺って仕事をするという意味ではありません。

残業が続くと社員や部下の元気が無くなることや、仕事のミスが増えるなど表面的に見えることが増えてきます。

社員や部下の様子がおかしいと思う場合は、きちんと眠れているかなど確認をすることが大切です。もちろん様子がおかしいと感じた場合は病院に行かせるべきでしょう。

仕事を振るのは経営者や上司の仕事ですが、仕事を止めさせるのも経営者の大切な仕事であり、経営者にしかできない仕事です。

残業代ゼロなどと言う前に、きちんと歯止めを掛けることが大切です。

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