転勤

転勤させる際には配慮が必要です

更新日:

営業拠点が複数ある場合、当然ながら転勤することもあるかと思います。この場合は転勤の対象者が職種や勤務地を限定して採用していない限りとくに問題は起こらないでしょう。

そうは言っても、まだ安心することはできません。

転勤については、その根拠が必要となりますから入社時などに個別に転勤の可能性について合意を得ておくか、あるいは就業規則に転勤することがあることを記載しておく必要があります。

たとえ就業規則などに転勤の記載がある場合であっても、その理由によっては使用者の権利濫用とされ無効となることもあるので注意が必要です。

少なくとも労働者には、転勤の辞令を出す前に同意を得ておくことが望ましいでしょう。

転勤の打診をした時に拒まれることもあるでしょうから、その場合は理由をよく聞くようにしなければなりません。例えば親を介護しているだとか、病気の子どもがいるなどの理由があるかも知れません。

これらの場合は育児・介護休業法においても配慮することが義務づけられているからです。

事業主は、その雇用する労働者の配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをしようとする場合において、その就業の場所の変更により就業しつつその子の養育又は家族の介護を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならない。(育児・介護休業法第26条)

そして具体的にどのように配慮をするのかについては、厚生労働省からの指針として示されています。

それによると例えば、子の養育又は家族の介護の状況を把握すること、労働者本人の意向を汲み取ること、配置の変更で就業の場所の変更を伴うものとした場合の子の養育又は家族の介護の代替手段の有無について確認すること、などとされています。

小さな子どもや介護家族などがいるような場合には、裁判などにおいても特に使用者の権利濫用として転勤が無効となるケースが増えています。

少子高齢化の進む状況から今後、家族を介護する機会が増えていくことは十分に予想されることです。会社としては転勤をさせる際には、まず対象労働者の話をよく聞くことを重視していくべきでしょう。

-転勤

Copyright© リンクス社労士事務所 , 2024 All Rights Reserved.