働き方

育休、有給 休暇は増やせるか

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政府は新たな成長戦略を閣議決定しました。今後は施策に沿って必要な法改正の検討に入ります。

雇用の分野では、働いた時間ではなく成果で評価される働き方への転換として、残業代ゼロの話が大きく取り上げられています。

労働時間だけで賃金が決まるというのは、定時までに仕事が終わる社員と仕事が終わらずに遅くまで会社に残っている社員で、会社にいる時間の長い方が賃金が高いということになります。

確かに、これではおかしな話だと思いますから、個人的には労働時間ではなく成果で賃金が決まる仕組みには賛成です。但しルールが故意に悪用されないように対象者の基準、労働時間の上限や罰則などをきちんと整備する必要があります。

ところで、残業代ゼロの話ばかりが取り上げられていますが、他にも働き過ぎ防止のための取組みの強化について取り上げられています。

こちらについては、労働基準監督署の監督指導体制の徹底、さらに働き過ぎの改善として長時間労働抑制策や年次有給休暇の取得促進策等を検討するとされています。

お寒い働き過ぎ防止のための取組み

働き過ぎ防止の話は初めてのことではなくて、いまでも取組みがされています。「労働時間等設定改善法」に基づいて、労働時間や休日を労働者ごとの事情に対応できるように求められています。

さらに「労働時間等の見直しガイドライン」もあり、こちらには2020年における具体的な数値目標というのも掲げられています。

例えば、年次有給休暇の取得率であれば、47.4%(平成20年)を70%へ、男性の育児休業取得率については、1.23%を13%となっています。

ちなみに年次有給休暇の取得率は平成24年の調査では、47.1%、男性の育児休業取得率は平成24年において1.89%となっており、目標数値に比べて遥かに低く高い目標となっています。

国としても育児休業取得率をアップさせるために、育児休業給付の給付率を平成26年4月から休業開始前の賃金の50%から67%へと上げています。

この制度は育児休業開始から6か月においては休業前賃金の67%として育児休業給付を支給し、以降については50%へと戻ります。

育児休業給付は、育児休業を取得する人に対する支給となりますから、母親が6か月取得した後に、父親が6か月の育児休業を取得することも可能です。つまり、この仕組みは父親の育児休業取得を増やすためのものです。

ところで、女性の育児休業と比べて男性の育児休業の取得率が極端に低いのも問題ではありますが、その取得日数についても女性とはかなりの差があります。

男性の育児休業取得日数については「1~5日」が4割、「5日~2週間」が2割と2週間未満が6割となっています。5日なんて言ったら夏休みや年末年始休暇と変わりありませんが、それでも取得できないというわけです。

要するに休む仕組みができていない

年次有給休暇にしても男性の育児休業にしても取得率が上がらない理由として、休むと周囲に迷惑がかかるからという意見があります。

これは会社内の空気として、長期的な休暇取得に対する嫌悪感があるということなのでしょう。この空気を変えなければ休暇の取得率アップは望むことはできません。

企業は営利目的ですから、稼働日数が減ることを嫌うのは当たり前のことです。それでも国の方針として休暇を増やすというのであれば、強制も必要となるでしょう。

「労働時間等設定改善法」のように法律は作っても、罰則や違反として労働基準監督署などが、取り締まる仕組みや権限まで落とし込まなければ浸透させるのは難しいでしょう。

働き過ぎ防止のために休暇取得率のアップを目指すのであれば、アメやムチを使い分けるという方法もあります。例えば、一定の休暇取得率を達成したら、税や保険料の免除、達成できなければ罰金を支払う。

極端かも知れませんが、少なくともこのくらいのことをやらなければ、目標達成は難しいと思います。

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