労働基準法

労基署がやってくる!

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今週号の週間ダイヤモンドで労働基準監督署について特集が組まれていました。もうご覧いただけましたでしょうか。現役の労働基準監督官を密着取材しております。

労働基準監督官は、司法警察官として逮捕権を持っておりますが、逮捕しても留置場が無いので警察に留置場を借りるための交渉が必要だったり、送検するために作成する書類400枚から500枚を、だいたい自分ひとりで2日間徹夜して作成したり、新人監督官はキャリアを積むために2局7年の下積み期間があったりなど、とても勉強になりました。

そんな記事の中で、大手居酒屋チェーンに対して出された労働基準法違反に対する是正勧告の一覧が載ってました。記事にもありましたが、労働基準監督官が企業のどこに目を向けて監督しているのかという点が、参考になるかと思うのでご紹介したいと思います。

全部で24通の是正勧告書が出されたようですが、違反内容別に分けると16項目になっています。その中で最も多いのが、36協定に関する違反でした。

法律では1日8時間、週40時間までしか働かせることができないと定められていますから、この時間を超えて働かせる場合には36協定の届け出が必要となります。

また休日についても週1日または、4週で4日の休日を与えなければなりませんので、この休日に働かせる場合にはやはり36協定の届け出が必要となります。

具体的な違反内容としては、36協定で定めた延長時間を超える時間外労働、業務範囲が不明確、36協定が労働者に周知されていないなどがあります。そもそも36協定が締結されていないのにもかかわらず、時間外労働や休日労働を指示している例もあるようです。

続いて多いのが、休憩時間をきちんと与えていないというものでした。

こちらは、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならないとされています。

同社の場合は接客業なので、人員のやり繰りがうまくいかずに、きちんと休憩時間が取れていなかったことが予想されます。

さらに、時間外労働に対する割増賃金の不払い、管理監督者に該当しない者に対する割増賃金の未払い(こちらは名ばかり管理職なのでしょう)など残業に関する違反が目立つようです。

他には、労働条件の明示義務違反や労使協定がないまま賃金を控除、解雇予告手当の不払い、定期健康診断の不実施などがありました。

こうして見ると企業としては、やはり時間外労働に対してきちんと対応する必要があるようです。少なくとも残業が無いという会社は少ないでしょうから、36協定を適切な時間として作成し、労働基準監督署に届け出なければなりません。

労働基準監督署対策としては、さらに割増賃金の支払いがありますが少なくとも36協定を届け出て残業代を支払えば問題ありません。しかし企業として考えなければならないのは、これだけではすまないという点です。

最近では、過労死や精神疾患などを発症して、その責任も問われる可能性が高くなっています。記事にもありましたが、労働基準監督署を意識して対策をすることは、民事訴訟対策にもつながるという意識を持つ必要があるでしょう。

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