労働基準法

長時間労働の取り締まりに荷重労働撲滅特別対策班「かとく」が動きだした

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全国展開する大手靴の販売店A社が、従業員に違法な長時間労働をさせていたとして労働基準法違反の疑いで書類送検となりました。

 

同社では、昨年にも東京都内の2つの店舗において時間外労使協定に定めた時間を大幅に超える残業を指摘されており、また過去にも複数の店舗において労働基準監督署による指導を受けていたにもかかわらず、改善が進んでいないことを理由として今回の送検となるようです。

かとくによる初めての送検

今回書類送検を行うのは東京労働局荷重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」だそうです。この組織は厚生労働省がブラック企業対策として、ことし4月に東京労働局と大阪労働局に設置されました。

かとくは、長時間労働の監督指導に対して専従で当る組織となり、東京は7人、大阪は6人の労働基準監督官により構成されています。

業務内容は、長時間にわたる荷重な労働が行われ、労働基準関係法令に違反し、または違反する疑いがある次の事案等に対し、積極的かつ効率的な処理を行うとしています。

  • 監督指導において事実関係の確認調査が広範囲にわたる事案
  • 司法事件で捜査対象が多岐にわたる事案
  • 被疑事実の立証等に高度な捜査技術を必要とする事案

かとくの設置については昨年11月に行われた過重労働解消キャンペーンの実施を受け、過重労働対策の強化の一環として取り組まれています。

過重労働解消キャンペーンについてはこちら→

長時間労働対策で働き方は変わるか?

政府が進める荷重労働対策

今回のかとく以外にも過重労働対策としては次のような取り組みがあります。

  1. 月100時間超の残業が行われている事業場等に対する監督指導の徹底(平成27年1月から実施)
  2. 監督指導・捜査体制の強化として「過重労働撲滅特別対策班(かとく)」の設置(平成27年4月から実施)
  3. 情報の提供・収集体制の強化としてインターネット上の求人情報等を監視、収集して監督指導等に活用(平成27年1月から試行実施)
  4. メンタルヘルス対策の強化として電話相談窓口を新設(平成27年度から実施)

さらには、都道府県労働局長による指導・公表の対象とする基準も示されています。

指導・公表の対象は、次のⅠ及びⅡのいずれにも当てはまる事案

Ⅰ「社会的に影響力の大きい企業」であること。 具体的には、「複数の都道府県に事業場を有している企業であって「中小企業に該当しないもの」であること。

Ⅱ「違法な長時間労働」が「相当数の労働者」に認められ、このような実態が「一定期間内に複数の事業場で繰り返されている」こと。

1「違法な長時間労働」について 具体的には、①労働時間、休日、割増賃金に係る労働基準法違反が認められ、かつ、②1か月当たりの時間外・休日労働時間が100時間を超えていること。

2「相当数の労働者」について 具体的には、1箇所の事業場において、10人以上の労働者又は当該事業場の4分の1以上の労働者において、「違法な長時間労働」が認められること。

3「一定期間内に複数の事業場で繰り返されている」について 具体的には、概ね1年程度の期間に3箇所以上の事業場で「違法な長時間労働」が認められること。

今回の大手靴の販売店A社は、全国展開をしており概ね1年程度の期間において1か月当たり100時間を超える時間外労働が相当数の労働者において該当していたとして、今回の指導・公表基準によって送検につながったものと考えられます。

いずれにせよ、かとくの人員は、東京、大阪において6~7名という少数なこともあり、公表・指導については大手企業が中心となることが予想されますが、労働Gメンの面目躍如となるでしょうか。

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