有期労働契約

スタバ、契約社員やめるってよ

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スターバックスコーヒージャパンでは、4月から契約社員800人を正社員にするそうです。

スターバックス、契約社員800人を正社員に(日本経済新聞2014/2/27)

スターバックスコーヒージャパンは4月1日から約800人いる契約社員のほぼ全てを正社員にする。2015年3月期から出店拡大を急ぐ考え。店長を担える人材の育成が課題で、即戦力である契約社員を取り込む。正社員にすることで待遇を改善し従業員のやる気を高める。

飲食店などの外食業界では、もともと人材不足感が強いこともありますが、景気回復を受けて企業における採用数の増加が見られます。同社でも今後の出店に備え、よりより良い人材を確保するためとのことです。

有期契約の社員を雇う理由として多いのは、人件費を固定化したくないからということがあります。

厚生労働省の調査による平成23年有期労働契約に関する実態調査を見ても、有期労働契約者を雇用する理由として、「業務の中長期的な変動に対応するため」が47.7%と最も多く、次いで「人件費(賃金、福利厚生等)を低く抑えるため」41.5%、「業務量の急激な変動に際して雇用調整ができるようにするため」27.3%の順となっています。

同社においても、これまで有期労働契約の社員としてきたのは、人件費の負担を減らすためと予想されます。

キャリアマップを見てみると、有期契約社員は店舗での接客・販売の仕事から始まり、店舗の運営ができるようになると人材育成、人員配置、フロア管理、在庫・現金・衛生管理等を任されるようになるようです。

そして最終的にはアシスタントマネージャーとして、店長のサポート業務ができるようになると正社員登用の選考会へと進んでいたようです。店長のサポート役の契約社員を正社員とすることによって店長候補を増やすのでしょう。

新聞の記事によると、契約社員の時は時給制だったものが、正社員となることによって月給制となりボーナスも支給されることによって、支給総額が増えることになるそうです。

有期契約を正社員に切り替えるということは、給料、賞与や退職金など人件費の負担が増えることもありますが、解雇(雇止め)もできなくなるなど労務管理における負担も増えることにもつながります。

今回の制度改正によって正社員1800人に契約社員800人を合わせて、正社員が2600人に増えるそうです。企業における負担増は大きくなるでしょうから思い切った戦略の転換です。

それでも景気回復による求人難や今後の店舗展開を見据え、より良い人材を確保することを考えるとプラスになると判断したのでしょう。

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