解雇

問題を起こす社員を辞めさせられるか

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遅刻や無断欠勤が多い、なかなか言うことを聞かない、社員同士でトラブルを起こすなど、問題を起こす社員がいるので辞めさせたいという相談を受けます。

結論から言うと解雇をすることは出来ます。ですが相手をよく見て判断をするべきでしょう。

解雇をしたことによって相手が会社に対して文句を言わなければそれまでです。ようは相手によっては会社に対して解雇が不当だと文句を言って裁判など起こされる可能性があるので注意が必要だということです。

ひと言で辞めさせるといっても労働者が納得して辞めてくれるのであれば、それは労働契約の合意解約であって不当解雇という話にはなりません。(但し雇用保険の自己都合退職とは別の話です)

それではどうやって納得して辞めてもらうかというと、やはり最終的にはお金の話でしょう。つまり条件として例えば給料の1か月~3か月分を支払います、だから辞めてもらえませんかという具合に話を進め、退職届も提出してもらえれば不当解雇ということで後から問題となることも少ないでしょう。

この部分を省いていきなり明日から来なくていいと言うから、労働者から不当解雇だと訴えられるのです。

よくニュースなどで大企業で百人~千人単位でリストラということを聞きますが、大企業であっても中小企業であっても従業員を辞めさせることに対する法的規制に違いはありません。大企業だからリストラが出来て、中小企業は出来ないということは当然ながらありません。

ですが大企業ではリストラをしても不当解雇と訴えられないように、お金を払って労働者の合意の下で辞めてもらうように努力をしている訳です。

ニュースではこの部分まで細かく取上げていないので、何千人も従業員を辞めさせることが簡単に出来ると勘違いをしてしまうのです。

労働法は、労働者にとって有利となるようにされています。それは解雇はその労働者の糧を一瞬で奪うことからも分かるように、労働者の立場は会社と比較してとても弱い存在ですから手厚く保護されるようになっています。

経営者のなかには、辞めさせる従業員に対してお金を払うのは嫌だという方もいますが、裁判などを起こされた際には不当解雇と認められる可能性も高いため、結局多額の解決金を支払うことになります。裁判の場合は、さらに弁護士報酬も必要となるでしょうからその分支払額が増えるだけです。

辞めてもらいたい従業員がいる場合には、先にお金を払うか訴えられて後からさらに多くのお金を払うか、まず考えてみる必要があるのではないでしょうか。

なるべくお金を払わないで辞めさせる方法もありますが、それについてはまたの機会に書きたいと思います。

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