是正勧告となるチェックポイントとは?

労働基準監督署による臨検調査の際に、監督官がチェックするポイントがいくつかあります。

1.法定帳簿が整備されているか

労働者名簿

労働基準法第107条では、「労働者名簿」の作成が義務づけられています。これは従業員の人数に関わりなく全員分を作成しなければなりません。また、労働者名簿は労働者が退職してから3年間は保存の義務があります。

賃金台帳

労働基準法第108条では、「賃金台帳」の作成が義務づけられています。記入内容についても次のように定められています。
① 氏名
② 性別
③ 賃金計算期間
④ 労働日数
⑤ 労働時間数
⑥ 時間外、休日、深夜労働時間
⑦ 基本給、手当など賃金の種類ごとの額
⑧ 賃金の一部を控除する場合はその額

2.タイムカードや勤怠記録が管理されているか

労働者の勤怠管理をしていない、またはタイムカードで管理しているが出勤時刻しか打刻させていない。このような管理の方法では、残業代の支払いを逃れるためと思われても仕方がありません。

会社としても適正な時間外手当を支払うために、労働時間を正しく把握する必要があります。

3.割増賃金が正しく計算されているか

労働基準法37条では、時間外労働に関しては2割5分以上、休日労働に関しては3割5分以上の割増賃金を支払わなければならないとされています。

さらに、割増賃金を計算する際においても、あらかじめ除外できる手当が決まっています。もちろんこれらは名目だけ該当していても除外できる訳ではありません。

① 家族手当
② 通勤手当
③ 子女教育手当
④ 住宅手当
⑤ 別居手当
⑥ 臨時に支払われる賃金
⑦ 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

4.時間外労使協定(36協定)を届け出ているか

労働基準法第36条では、法定労働時間を超えて時間外労働をさせる場合には、あらかじめ書面により必要事項について「時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)を締結し、労働基準監督署に届け出る必要があると定めています。

① 時間外労働をさせる必要のある具体的事由
② 業務の種類
③ 労働者の数
④ 1日について延長することができる時間
⑤ 1日を超える一定の期間について延長することができる時間
⑥ 有効期間

5.就業規則を作成しているか

常時10人以上の労働者がいる場合には、就業規則を作成して労働基準監督署に届け出る必要があると、労働基準法第89条に定められています。

就業規則は、必ず記載しなければならない事項や定めをする場合には記載しなければならない事項について記載が必要となります。

必ず記載しなければならない事項

① 始業・終業時刻、休憩時間、休日、休暇、就業時転換に関する事項
② 賃金の決定、計算及び支払い方法、締切り及び支払い時期、昇給に関する事項
③ 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

定めをする場合には記載しなければならない事項

① 退職手当
② 手当、賞与、最低賃金
③ 食費、作業用品費負担
④ 安全・衛生に関する事項
⑤ 職業訓練に関する事項
⑥ 災害補償・業務外の傷病扶助
⑦ 表彰・制裁
⑧ その他すべての労働者に適用される事項

6.年次有給休暇の取得実績について

年次有給休暇は、労働者の健康への配慮や過重労働防止のため、会社として取得の促進を求められます。取得日数や残日数などを、各従業員が分かるように記録する管理することが、望ましいと言えるでしょう。

7.労働条件通知書を交付しているか

労働者を雇い入れるときは、賃金や労働時間などの労働条件について書面で交付する必要があります。

① 労働契約期間
② 就業場所・従事すべき業務
③ 始業・終業時刻、残業の有無、休憩時間、休日、休暇、就業時転換に関する事項
④ 賃金の決定、計算・支払方法、賃金の締切り・支払い時期、昇給
⑤ 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

8.定期健康診断をしているか

労働者の雇入れや、1年ごとに1回、定期健康診断を行う必要があると労働安全衛生法で定められています。また、時50人以上の労働者を使用する場合は、「定期健康診断結果報告書」を遅滞なく労働基準監督署へ届け出なければなりません。

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