就業規則と労働契約その2

使用者と労働者との契約関係については労働契約法に定められていますが、就業規則との関係をみてみましょう。

就業規則による労働条件

労働契約は、使用者が労働者との間において労働し賃金の支払いをすることに合意することです。

その際に労働条件などを示す必要がありますが、周知された就業規則がある場合には就業規則に定められた条件が労働条件となります。

就業規則を変更する際の取り扱い

労働条件を変更する場合には、使用者と労働者の間において合意が必要になりますが、就業規則については本来使用者が一方的に作成することができます。

そのため今の労働条件を引き下げることもできるわけですが、労働契約第9条において使用者と労働者の合意なく就業規則を変更し、労働条件を不利益に取り扱うことを禁止しています。

一方で、労働契約法第10条において変更後の就業規則を労働者に周知し、就業規則の変更が合理的と認められるようであれば、「合意の原則」の例外として有効となると定めています。

就業規則違反となる労働契約

就業規則で定めた労働条件に満たない労働契約を結ぶことは、労働契約法第12条によって該当箇所については無効となるとされています。この場合、無効となった部分については就業規則の基準まで引き上げられます。

労働基準法に定める労働契約との関係

労働基準法第13条では、「この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による。」とされており、労基法に定める基準に満たない場合の労働条件については無効となるとされています。

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