歩合給制でも割増賃金は必要なのか?

歩合給制とは、「売上げ実績に対して○%や契約成立1件に対して○円」と言うように、一定の成果に対して、あらかじめ決められた金額を支払う約束をした賃金制度となります。「出来高払制」や「請負給制」などとも呼ばれています。

歩合給制の割増賃金(残業代)

歩合給制の場合の割増賃金(残業代)はどうなっているのでしょうか。契約成立に対して決まった金額がある訳だから、その契約のために費やす時間すべて(もちろん残業代も含めて)が、歩合給に含まれていると思われるかも知れません。

しかし、歩合給制であっても法定労働時間を超えて労働した場合、その超えた時間に対しては、割増賃金の支払いが必要になります。

歩合給制の割増賃金の考え方

歩合給制であったとしても、法定労働時間を超えて働いた場合には、割増賃金の支払いが必要となります。

ただし歩合給制の場合は、時間外労働や休日労働に対する時間当たりの通常の賃金については、すでに賃金総額の中に含まれていると考えます。

そのため歩合給の総額を総労働時間で割って1時間当たりの賃金を計算します。この1時間当たりの賃金に時間外労働時間数をかけた金額の25%部分のみ支払います。

通常の時間外労働の場合には125%の支払いが必要なのに対し、歩合給については25%部分のみの支払いとなります。

歩合給制の割増賃金の計算例

ある月の歩合給の合計が18万円、その月の残業時間18時間を含めて180時間働いた場合の割増賃金は、どのように計算すれば良いのでしょうか。実際に計算してみましょう。

  • 1時間あたりの歩合給
    18万円÷180時間=1,000円
  • 1時間あたりの歩合給の割増賃金
    1,000×25%=250円
    ある月の割増賃金額
    250円×18時間=4,500円

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